mathdiaryのブログ

数学についての覚え書きを雑多にしていきます.

点P

2018-01-01から1年間の記事一覧

知恵袋で見かけた問題について

// Yahoo知恵袋で見かけた記事(現在消去済み)についてのメモ. 問は「$x_1, x_2, \cdots , x_{1001}$ を実数とし, 各 $1 \leqq i \leqq 1001$ について, 残りの元 $x_1, \cdots, x_{i-1}, x_{i+1}, \cdots, x_{1001}$ を500個ずつの総和の等しいグループに…

アティマク演習解答メモ1-1

Atiyah-Macdonald(アティヤ-マクドナルド)の可換代数入門の演習問題解答

平方数が偶数ならば元の数も偶数であることについて

// $n$ が整数のとき, $n^2$ が偶数なら $n$ も偶数という命題は, 対偶を用いて証明する例としてよく使われる. しかし対偶を使わないで証明できないか?という意見を見たのでやってみる. ただ, あくまで示したい命題の対偶は使わないだけであって, 証明の中…

閉区間上で$C^r$な関数の拡張について

// $I=[a, b]$ を閉区間とし, $f : I \rightarrow \mathbb{R}$ を関数とする. $f$ が $I$ 上で $C^1$ 級であることを以下のように定める. $f$ は開区間 $(a, b)$ 上で通常の意味で $C^1$ 級. $x = a$ での右微分係数 $\displaystyle \alpha := \lim_{x \righ…

自然数の定義について

// 自然数についてメモ. $y$ が集合のとき, 対の公理より $\{ y \}$ は集合. よって再び対の公理より $\{ y, \{ y \} \}$ は集合. 和集合の公理より $S(y):=y \cup \{ y \}$ という風に記号を定めれば, $S(y)$ は集合. 無限公理: $\exists x^*(\varnothing …

杉浦解析Iの解法メモ②

// 正数列 $\displaystyle \{ a_n \}$ に関して, ある実数 $a \geqq 0$ が存在して $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n}=a$ が成り立つなら, $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} \left( a_n \right) ^{\frac 1 n}=a$ …

杉浦の解析Iの覚え書き①

// ( 1 ) $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{a^n}{n!}=0$ $a=0$ なら明らか. $a \neq 0$ とする. このとき $|a| > 0$ である. $|a|$ と $1$ についてアルキメデスの定理を用いれば, ある自然数 $S=S(a)$ であって $S > |a|$ となるものが存在…

$n$ の $n$ 乗根の収束値

// $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} n^{\frac 1 n} = 1$ を微分を使わずに示すメモ. 初めの有限個の項の値は収束値に関係ないので, $n \geqq 2$ の範囲で考えて良い. するとこの範囲では $\displaystyle n^{\frac 1 n} > 1$ なので(これは背理…

2018年度東京大学理系数学第2問

2018年度東京大学理系数学の第2問の解法を載せてます.

写像の空間に誘導される距離

// $(X, d)$ を距離空間とし, $S$ を任意の集合とする. また, $ F = \{ f:S \rightarrow X ~|~ f(S) \subset X$ は $(X, d)$ においての有界集合 $\}$ と定める. $L_1, \cdots, L_n$ は, $F$ から $F$ への任意の写像とする. このとき $\rho : F \times F \r…

2012年東京大学入学試験 化学:大問1のIIについて

数学のブログだが、化学についてのメモ。 今日、東京大学の2012年の化学の入試問題を解説する機会があった。問題自体は予備校のサイトなどを参照してもらいたいが、要は化学平衡の問題だった。 問題設定では物質PS-Xが会合を起こし、二量体の(PS-X)2になると…

正則かつHausdorffだが正規ではない位相空間 - Sorgenfrey plane

// 集合族 $\{ ~ [ a, b ) ~|~ a, b \in \mathbb R ~ \}$ を開基として持つ $\mathbb R$ 上の位相を下限位相という. この位相を備えた $\mathbb R$ をSorgenfrey lineともいう. 以下この空間を $\mathbb S$ で表すことにする. 【命題】 Sorgenfrey空間 $\mat…

群の簡約メモ

// $G$ を半群とする(結合法則をみたす演算を備える). $\forall a , b \in G , \exists! l \in G ~~ \mathrm{s.t.} ~~ la = b$ および $\forall a , b \in G , \exists! r \in G ~~ \mathrm{s.t.} ~~ ar = b$ を満たしているとする. これを除法が一意的に…