mathdiaryのブログ

数学についての覚え書きを雑多にしていきます.

点P

知恵袋で見かけたもの(2)

位相空間の話。 「2つの位相空間X, Yが同相なとき、それぞれから1点を除くことでできる部分空間たちも同相であるか?」

同相という位相的な条件が、1点を除くという集合論的な操作で保たれるかという問題。しかし1点を除くと連結性とか開集合族の状態とか(要するに位相不変量が)色々変わるので成り立たなさそう。実際、以下の反例がある。

(1)連結成分の個数を変える場合: ほぼ等しいことを表す記号「≒」をR2の部分空間と見なし、XとYはどちらもこの位相空間とする。このときXからは「≒」のうちの「=」部分から適当に1点を取り、Yからは「≒」の上のほうにある点を取るようにすると、これらは連結成分の個数が等しくならないので明らかに同相でない。

(2)穴の数を変える: X, Yを共にR2上の閉円盤とする。Xでは中心から1点をとり、Yでは縁から1点をとると、穴の数が変わるので同相にならない。