mathdiaryのブログ

数学についての覚え書きを雑多にしていきます.

閉包と積集合, 内部と和集合

$(X, \mathscr{O})$ は位相空間とし, $A, B \subset X$ を部分集合とする.

【定理】

$\overline{A \cap B} \subset \overline{A} \cap \overline{B}$ が成り立つ.

PROOF.

一般に $A \subset \overline{A}$, $B \subset \overline{B}$ なので $A \cap B \subset \overline{A} \cap \overline{B}$. よって $\overline{A} \cap \overline{B}$ は $A \cap B$ を含む閉集合なので, 閉包の定義より $\overline{A \cap B} \subset \overline{A} \cap \overline{B}$. (証明終)

 

$\overline{A \cap B} \supset \overline{A} \cap \overline{B}$ はいつもなりたつとは限らない. $A=\mathbb{Q}, B=\mathbb{R} - \mathbb{Q}$ とすれば, $\overline{A \cap B} = \overline{\emptyset} = \emptyset$ となる一方で, $\overline{A} \cap \overline{B} = \mathbb{R} \cap \mathbb{R} = \mathbb{R}$ となるので異なる.

 

$Q$. $(\overline{A}-A) \cap (\overline{B}-B) = \emptyset$ と仮定すれば逆も成り立たないか?

 

【定理】

$(A \cup B)^i \supset A^i \cup B^i$ が成り立つ.

PROOF.

$A^i \cup B^i$ は $A \cup B$ に含まれる開集合なので成り立つ. (証明終)

 

閉包の場合と同様に, 逆向きの包含は成り立たない. 反例も同じで $A=\mathbb{Q}, B=\mathbb{R}-\mathbb{Q}$ とすればよい.

$f(x)=\frac{x}{1+x}$ の性質メモ

(1) $u \geqq 0, v \geqq 0$ について $f(u)+f(v) \geqq f(u+v)$

PROOF: $u, v$ は非負なので, $\frac{u}{1+u} \geqq \frac{u}{1+u+v}$ かつ $\frac{v}{1+v} \geqq \frac{v}{1+u+v}$ . よって

$f(u)+f(v) \geqq \frac{u}{1+u+v}+\frac{v}{1+u+v} =f(u+v)$

(2) $u < -1, v < -1$ について $f(u)+f(v) > f(u+v)$

PROOF: $u, ~ v < -1$ なので $0 > 1 + u > 1 + u + v, ~ 0>1+v>1+u+v$ .

よって $\frac{1}{1+u} < \frac{1}{1+u+v}, ~ \frac{1}{1+v} < \frac{1}{1+u+v}$ .

$f(x)=1-\frac{1}{1+x}$ とも書けるのでいまの場合 $f(u)>f(u+v), ~ f(v)>f(u+v)$ . よって示された.

部分空間に関する内部, 外部, 閉包, 境界

$(X, \mathcal{O}_X)$ は位相空間とし, $(Y, \mathcal{O}_Y)$ はその部分空間とする. $(X, \mathcal{O}_X)$ および $(Y, \mathcal{O}_Y)$ の閉集合全体の集合をそれぞれ $\mathfrak{A}_X$, $\mathfrak{A}_Y$ と表す. $A \subset Y$ とし,

  • $i_{X}(A)=X$ における $A$ の内部
  • $i_{Y}(A)=Y$ における $A$ の内部
  • $e_{X}(A)=X$ における $A$ の外部 $=i_{X}(X-A)$
  • $e_{Y}(A)=Y$ における $A$ の外部 $=i_{Y}(Y-A)$
  • $f_{X}(A)=X$ における $A$ の境界
  • $f_{Y}(A)=Y$ における $A$ の境界
  • $c_{X}(A)=X$ における $A$ の閉包
  • $c_{Y}(A)=Y$ における $A$ の閉包

と定める. このとき

  • $c_{X}(A) \cap Y =c_{Y}(A)$
  • $i_{X}(A) \subset i_{Y}(A)$
  • $e_{X}(A) \cap Y \subset e_{Y}(A)$
  • $f_{X}(A) \supset f_{Y}(A)$

が成り立つ.

【証明】

  • $c_{X}(A) \in \mathfrak{A}_X$ なので, $c_{X}(A) \cap Y \in \mathfrak{A}_Y$. よって $Y$ における閉包の定義より $c_{Y}(A) \subset c_{X}(A) \cap Y$. $c_{Y}(A) \in \mathfrak{A}_Y$ より, ある $F \in \mathfrak{A}_X$ があって $c_{Y}(A) = F \cap Y$ となる. $X$ における閉包の定義より $c_X(A) \subset F$ なので $c_X(A) \cap Y \subset F \cap Y = c_{Y}(A)$. よって示された.
  • $a \in i_{X}(A)$ とすると, ある $U \in \mathcal{O}_X$ で $a \in U \subset A$ となるものが存在する. ここで $U \subset A \subset Y$ より $U=U \cap Y \in \mathcal{O}_Y$ であるから $a \in i_Y(A)$ でもある. よって示された.
  • $a \in e_{X}(A) \cap Y$ とする. ある $U \in \mathcal{O}_X$ があって $a \in U \subset X-A$ となる. $a \in Y$ でもあるので特に $a \in U \cap Y$ である. $U \cap Y \in \mathcal{O}_Y$ であり, $U \cap Y \subset (X-A) \cap Y = Y-A$ であるから, $a \in e_Y(A)$ である. よって示された.
  • $ f_X(A) = X-( i_{X}(A) \cup e_{X}(A) ) $
    $ \supset Y-( ( i_{X}(A) \cup e_{X}(A) ) \cap Y ) ) $
    $ \supset Y-( ( i_{Y}(A) \cup e_X(A) ) \cap Y ) $
    $ \supset Y-( i_Y(A) \cup ( e_X(A) \cap Y ) ) $
    $ \supset Y-(i_Y(A) \cup e_Y(A) ) = f_Y(A) $ より示された.


等しくなくなる例
$X=\mathbb{R}^2$, $Y=\mathbb{R}$ とし, 通常の位相を与えるものとする. $A=Y$ とすると, $i_X(A)=\emptyset, i_Y(A)=\mathbb{R}, f_X(A)=\mathbb{R}, f_Y(A)=\emptyset$ となる. 外部についての反例はあとで追記.