mathdiaryのブログ

数学についての覚え書きを雑多にしていきます.

反例の匣

どうということはない反例をメモするところ.

  1. 「稠密な集合の, 連続な写像による逆像は稠密になるとは限らない」:

    $f : \{0\} \rightarrow \mathbb{R}$ を $f(0)=0$ と定めれば, $\mathbb{R} - \{0\}$ は $\mathbb{R}$ で稠密であるが $f^{-1}(\mathbb{R} - \{0\})=\emptyset$ となり, これは $\{0\}$ で稠密でない.

  2. 「ある連続写像 $f$ の像の中で稠密な集合 $A$ があったとする. $f^{-1}(A)$ は始域のなかで稠密になるとは限らない」:

    $f : \mathbb{R}_{\geq 0} \rightarrow \mathbb{R}_{\geq 0}$ を, $x \leq 1$ のときは $f(x)=0$ , $x>1$ のときは $f(x)=x-1$ と定める. ここで $\mathbb{R}_{\geq 0}$ は非負実数の全体を表すものとする. $f$ が連続であることは明らかである. このとき $f$ の像は $\mathbb{R}_{\geq 0}$ であって, $\mathbb{R}_{\geq 0} -\{0\}$ はその中で稠密であるが, その逆像は $\mathbb{R}_{\geq 0} - \left[0, 1\right]$ となり, これは $\mathbb{R}_{\geq 0}$ で稠密ではない.

  3. 「 $\displaystyle \overline{f \left(\bigcup_{\lambda \in \Lambda} M_\lambda \right)} \neq f \left(\bigcup_{\lambda \in \Lambda} \overline{M_\lambda} \right)$ 」:

    $\Lambda = \mathbb{Q}$ とし, $r \in \mathbb{Q}$ について $M_r = \{r\}$ とする. $f : \mathbb{R} \rightarrow \mathbb{R}$ は恒等写像とする. このとき

    $\displaystyle \overline{f \left(\bigcup_{r \in \mathbb{Q}} M_r \right)} = \overline{\mathbb{Q}} = \mathbb{R}$

    $\displaystyle f \left(\bigcup_{r \in \mathbb{Q}} \overline{M_r} \right)=f \left( \bigcup_{r \in \mathbb{Q}} M_r \right) = f(\mathbb{Q})=\mathbb{Q}$