高校数学、数IIB、ベクトル、内積
// 線形代数の雰囲気 線形代数はもともと連立1次方程式を解くなかで生まれてきたものである。とはいえ連立1次方程式を解くという意味ではクラメルの公式やガウスの消去法で決着がついており、そこから先は線形性そのものが興味の対象になっている。この記事…
位相空間の話。 「2つの位相空間X, Yが同相なとき、それぞれから1点を除くことでできる部分空間たちも同相であるか?」 同相という位相的な条件が、1点を除くという集合論的な操作で保たれるかという問題。しかし1点を除くと連結性とか開集合族の状態とか(…
東京工業大学 2019年 2次試験 数学 大問2 解答案
// Yahoo知恵袋で見かけた記事(現在消去済み)についてのメモ. 問は「$x_1, x_2, \cdots , x_{1001}$ を実数とし, 各 $1 \leqq i \leqq 1001$ について, 残りの元 $x_1, \cdots, x_{i-1}, x_{i+1}, \cdots, x_{1001}$ を500個ずつの総和の等しいグループに…
Atiyah-Macdonald(アティヤ-マクドナルド)の可換代数入門の演習問題解答
// $n$ が整数のとき, $n^2$ が偶数なら $n$ も偶数という命題は, 対偶を用いて証明する例としてよく使われる. しかし対偶を使わないで証明できないか?という意見を見たのでやってみる. ただ, あくまで示したい命題の対偶は使わないだけであって, 証明の中…
// $I=[a, b]$ を閉区間とし, $f : I \rightarrow \mathbb{R}$ を関数とする. $f$ が $I$ 上で $C^1$ 級であることを以下のように定める. $f$ は開区間 $(a, b)$ 上で通常の意味で $C^1$ 級. $x = a$ での右微分係数 $\displaystyle \alpha := \lim_{x \righ…
// 自然数についてメモ. $y$ が集合のとき, 対の公理より $\{ y \}$ は集合. よって再び対の公理より $\{ y, \{ y \} \}$ は集合. 和集合の公理より $S(y):=y \cup \{ y \}$ という風に記号を定めれば, $S(y)$ は集合. 無限公理: $\exists x^*(\varnothing …
// 正数列 $\displaystyle \{ a_n \}$ に関して, ある実数 $a \geqq 0$ が存在して $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} \frac{a_{n+1}}{a_n}=a$ が成り立つなら, $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} \left( a_n \right) ^{\frac 1 n}=a$ …
// ( 1 ) $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty}\frac{a^n}{n!}=0$ $a=0$ なら明らか. $a \neq 0$ とする. このとき $|a| > 0$ である. $|a|$ と $1$ についてアルキメデスの定理を用いれば, ある自然数 $S=S(a)$ であって $S > |a|$ となるものが存在…
// $\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} n^{\frac 1 n} = 1$ を微分を使わずに示すメモ. 初めの有限個の項の値は収束値に関係ないので, $n \geqq 2$ の範囲で考えて良い. するとこの範囲では $\displaystyle n^{\frac 1 n} > 1$ なので(これは背理…
2018年度東京大学理系数学の第2問の解法を載せてます.
// $(X, d)$ を距離空間とし, $S$ を任意の集合とする. また, $ F = \{ f:S \rightarrow X ~|~ f(S) \subset X$ は $(X, d)$ においての有界集合 $\}$ と定める. $L_1, \cdots, L_n$ は, $F$ から $F$ への任意の写像とする. このとき $\rho : F \times F \r…
数学のブログだが、化学についてのメモ。 今日、東京大学の2012年の化学の入試問題を解説する機会があった。問題自体は予備校のサイトなどを参照してもらいたいが、要は化学平衡の問題だった。 問題設定では物質PS-Xが会合を起こし、二量体の(PS-X)2になると…
// 集合族 $\{ ~ [ a, b ) ~|~ a, b \in \mathbb R ~ \}$ を開基として持つ $\mathbb R$ 上の位相を下限位相という. この位相を備えた $\mathbb R$ をSorgenfrey lineともいう. 以下この空間を $\mathbb S$ で表すことにする. 【命題】 Sorgenfrey空間 $\mat…
// $G$ を半群とする(結合法則をみたす演算を備える). $\forall a , b \in G , \exists! l \in G ~~ \mathrm{s.t.} ~~ la = b$ および $\forall a , b \in G , \exists! r \in G ~~ \mathrm{s.t.} ~~ ar = b$ を満たしているとする. これを除法が一意的に…
同型写像の作用素ノルムに関するいくつかの基本的な不等式のメモ.
ハウスドルフだが局所ユークリッドでない位相空間の例として, 原点を二つ持つ直線という一次元多様体を考えることができる. それについての基本的な定義などのメモ.
// $V$ を線形空間とし, $W, W'$ を $V$ の部分空間とする. $g : W \times W' \rightarrow W+W'$ を $g(w, w') = w + w'$ と定める. このとき, ${\rm Ker} ~ g = \{ (w, -w) ~ | ~ w \in W \cap W' \} =: {\rm Skew}(W \cap W')$. $Proof.$ ${\rm Skew}(W \c…
// 個人的に面白かったのでメモ. 問は以下のようなもの. $0^\circ < \theta < 180^\circ$ かつ $4\cos\theta + 2\sin\theta = \sqrt{2}$ のとき, $\tan\theta$ を求めよ. 最初にやった解き方は以下. $\cos\theta=0$ のときは $\sin\theta=1$ となりこれは条…
// どうということはない反例をメモするところ. 「稠密な集合の, 連続な写像による逆像は稠密になるとは限らない」: $f : \{0\} \rightarrow \mathbb{R}$ を $f(0)=0$ と定めれば, $\mathbb{R} - \{0\}$ は $\mathbb{R}$ で稠密であるが $f^{-1}(\mathbb{R}…
各点の基本近傍系が細かい位相空間ほど位相が細かいことが分かる. 基本近傍系とはある意味で局所的な構造であるが, それらをすべての点で比べることによって, 位相というある意味で大域的な性質についての情報を得ることができる.
閉包同士の積集合や, 内部同士の和集合に関してなりたついくつかの基本的な性質をまとめたもの.
// (1) $u \geqq 0, v \geqq 0$ について $f(u)+f(v) \geqq f(u+v)$ PROOF: $u, v$ は非負なので, $\frac{u}{1+u} \geqq \frac{u}{1+u+v}$ かつ $\frac{v}{1+v} \geqq \frac{v}{1+u+v}$ . よって $f(u)+f(v) \geqq \frac{u}{1+u+v}+\frac{v}{1+u+v} =f(u+v)$…
// $(X, \mathcal{O}_X)$ は位相空間とし, $(Y, \mathcal{O}_Y)$ はその部分空間とする. $(X, \mathcal{O}_X)$ および $(Y, \mathcal{O}_Y)$ の閉集合全体の集合をそれぞれ $\mathfrak{A}_X$, $\mathfrak{A}_Y$ と表す. $A \subset Y$ とし, $i_{X}(A)=X$ に…
// 整数環 $\mathbb{Z}$ において, 乗法に関する $2$ の逆元がないことのメモ. 「実数体 $\mathbb{R}$ において $2$ の逆元 $\frac{1}{2}$ が存在し, これが整数でないので示された」として良さそうだが, 整数に関する定理は整数の性質だけを使って示すほう…
$X$ を集合とする. $X$ 上の二項関係とは次の写像である. $ \rho : X \times X \rightarrow \{ T, F \} $ ここで集合 $ \{ T, F \} $ は真理値の集合を表す. $T$ が True, $F$ が False のつもりである. $ \{ 1, 0 \} $ で代用しても問題ない. このような写…
$(x_n)_{n \in \mathbb{N}}$ を数列とする. この数列が $a$ に収束"しない"というのはどういう場合であろうか. 以下のような場合については収束しないといっても問題ないであろう. ずっと $a$ に近づかない場合. 例えば $a$ の周り1cmには近づかない場合など…
// 加群の定義を当たり前と思わないための戒めとしてメモする. 可換群$ M $が環$ R $上の左加群であるとは左作用$ R \times M \rightarrow M ; (a, x) \mapsto ax $に関して, (1) $ \forall a \in R, \forall x, y \in M $について$ a(x+y)=ax+ay $ (2) $ \f…